お迎え前検査について

〜猫さんの心雑音とエコー検査〜

少しでも健康な子を・・・!との願いは、飼い主様なら勿論のこと、私たちの願いも同じです。
当店では、お迎え前に獣医師によるヘルスチェック(触診・聴診)と検便を行なっておりますが、更に踏み込んだ検査を任意でお申し込みいただけます。


お迎え前検査を導入した背景

我が家からお迎え頂いた子猫さんに心雑音が認められたとのご連絡を受けました。
まだ経過観察の段階ではございますが、最近ママさんより頂いたご連絡では、去勢手術を受ける運びになったそうで、心雑音としては軽度なのではないかと予想されます。
(重度の場合は、麻酔の影響を考え通常去勢手術は行いません)
軽度な心雑音の場合、自然に良くなってしまったり、なんの問題もなく天寿を全うできる事も多い反面、悪化して手術などになってしまう事も少なくありません。
心雑音が認められた場合は、専門の獣医師に心エコーで診断してもらうことをお勧めします。

心雑音があったら心臓の病気なの?
心雑音がなかったら健康なの?

心雑音が認められた場合、心臓の疾患を疑うことはもちろんですが、心雑音=病気ではありません。

 

2015年の論文を例に出してみます。

780頭の猫さんの心臓検査をした結果、肥大型心筋症(猫さんに多くみられる心臓の病気)と診断された猫さんは115頭。
15%近い、高い数字です。
その中で、心臓検査前に心雑音が認められていた猫さんは94頭いたそうです。
21頭は心雑音が認められなかったにも関わらず、肥大性心筋症と診断されました。

次に780頭中、肥大性心筋症と診断されなかった、残りの665頭の子達を見ていきましょう。
驚く事に、665頭の中の224頭に心雑音が認められました。
30%近い猫さんが、健康であるにも関わらず心雑音が認められた事になります。

以上の結果から、心雑音があるから病気、心雑音がないから健康と簡単に区別出来ることではない事がお分かり頂けるのではないかと思います。

健康診断で、「心雑音もないし大丈夫」と思っていませんか?

お迎え前検査の内容

・健康診断(問診・触診)
・レントゲン検査
・エコー検査


任意のお申し込みが必要です。
費用:別途13,000円(税込)

幼い子猫さんの心臓はとても小さく、血流も少ない為に幼い頃では心雑音が聞き取れない事も多々ございます。
成長し血流が増えてきて、初めて聞き取れる事もございます。

通常のヘルスチェックをお願いしている獣医師とは『異なる』獣医師により、再度、健康診断をお願いします。
合計2名の獣医師による健康診断に加え、レントゲン検査とエコー検査を行うことにより、通常のヘルスチェックでは見つけられなかった疾患も見つけやすくなり、より安心してご家族へお迎え頂けると考えます。

※血液検査は、子猫さんの場合まだ身体が作られている最中の為、正しい結果が得られません。
過去に我が家でも子猫さんの血液検査を導入しようと20頭程血液検査をしておりますが、どの子も数値が全く安定しませんでした。
正確な結果が得られない為に、無駄に痛みを与える血液検査は行いません。
血液検査を行う場合、生後3ヶ月以降が望ましいでしょう。

お迎え前検査の流れ

まずは子猫さんをご予約下さい。
その後、お迎え日にあわせ最適な日程で子猫さんを検査に連れて参ります。

※病院の休診日や病院へ連れて行く当店のスタッフの勤務状況などもございますので、ある程度日数に余裕をいただく必要がございます。
※予約前の段階では子猫さんの検査を承ることができません。

子猫さんに問題が認められなかった場合
そのままお迎え日に猫さんをお迎えいただきます。
お迎え前検査の費用は、お迎え時にご精算ください。

子猫さんに何らかの疾患が認められた場合
残念ながら、子猫さんに飼育困難であると考えられる何らかの異常が認められてしまった場合は、キャンセルしていただくことが可能です。
キャンセルの場合には、お内金を全額返金いたします。

見つかった疾患などが生活に全く問題のない事であったりした場合は、割引や無料などでお迎え頂くことも可能です。
もしも、重度な疾患が見つかってしまった場合でも当店で生涯責任を持って育ててまいります。

以下の症状はキャンセル対象外となりますが、割引対象となります。
・不正咬合 、でべそ→3,000円のお値引き
ペルシャ系には大変多く見られますが、生活に問題はございません。
・背骨の数の相違 →生体価格より10%のお値引き
人間も含め、脊椎動物には多く見られ、特に生活に問題はございません。猫さんでは30%の個体に見られます。

その他、何らかの異常が認められた場合は猫さんにとっても飼い主様にとっても最善の方法をお話合いさせて頂きます。
無理に購入を迫るような事は決して致しません。

ご注意ください

幼い子猫に全身麻酔をかけて、全身MRIをかけるような精密検査ではございません。
全身麻酔のショックで心臓が止まってしまうこともございます。
その為、この検査において隠れたすべての異常を見つけることは不可能であることをご理解ください。
全ての異常を見つけるには、人間同様に全身の細かい検査を行う必要がございます。
猫さんは機械ではなく、人間と同じ命ですから、人間と同じようにお考えいただけると幸いです。